全身性エリテマトーデスとは、膠原病の1つで、特徴的な皮膚症状をはじめ、発熱、倦怠感などが出現。また、関節、皮膚、内臓などにさまざまな症状が一度に、もしくは次々におこる病気です。
現在のところ、原因は不明であり、難病(特定疾患)として位置づけられています。
原因は、不明です。
本来なら自分を守る免疫が、自分自身を攻撃することで障害を起こします。
日本での発症頻度は、10万人中30人前後です。
男女比は、男性1に対して、女性9です。
全身症状 | 発熱、全身倦怠感 |
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関節症状 | 関節炎は、ときに場所が変わります。 リウマチと異なり、レントゲン写真で骨破壊が見られないことが多いです。 |
皮膚症状 | 蝶型紅斑(両頬から鼻すじにかけてできる赤い発疹で蝶が羽を広げたような形をしている。) 日光過敏、脱毛、鼻咽腔潰瘍、レイノー現象(寒さなどによって指先が突発的に白、紫、赤と三相変化を起こす病態) |
その他 | 腎炎、胸膜炎、心膜炎やけいれん、精神症状をおこすことがあります。 |
全身性エリテマトーデスの診断基準は、以下の項目のうち4項目を満たした場合です。
第一に全身性エリテマトーデスの診断をするための検査をおこないます。
第二にどの臓器がどれだけ障害されているか検査します。
尿検査、血液検査で炎症や臓器の状態を調べます。
これ以外に
などをおこなう場合があります。
第三に全身性エリテマトーデスの症状が出るタイミングを把握するための検査をします。
これには、次の理由があります。
全身性エリテマトーデスには活動期と非活動期があり、活動期のはじめは症状が出ず、検査所見の異常のみが発見されることがあります。
症状が出るこの時期に適切な治療をする必要があるためです。
第四に薬の副作用を把握するための検査をします。
治療にはステロイドホルモン剤や免疫抑制剤など、副作用の強い薬が使用されることがあります。そのため、薬の副作用についてもチェックする必要があります。
治療には、ステロイドホルモン剤など(副腎皮質ホルモン剤)を使用します。
全身性エリテマトーデスの患者様が無症状になった時を寛解(読み:かんかい)といい、この時期にステロイドホルモンの減量を開始します。
患者様によっては良くなったと思い、自己診断で減量してしまう人がいますが、病状が薬で抑えられているだけにすぎません。
また、副腎皮質で作られているホルモンを薬として服用すると、しだいに副腎はホルモンの生産を中止します。
そんな時に、突然ホルモン剤を中止すると、急激なホルモン欠乏状態となり、離脱症候群がおこり、せっかく減量できるはずのタイミングに、より多くの薬が必要になってしまうことがあります。
生活する上で、次のことにご注意ください。
患者様を治療する際、現在どんな薬をどれだけ服用しているかは非常に大事なことです。
患者様は、できるだけ服用している薬剤を把握するようにしてください。
また、症状がなくなったからとか、ステロイドホルモン剤を使用していると顔が丸くなるからといって勝手に減量しないでください。